M&Aを依頼できる5つの先とその特徴

M&A支援を依頼できる5つの先とその特徴

-2021年01月12日-

ここでいうM&A支援とは、相手先を見つけるまでの準備~相手先を見つけて交渉し、M&Aを成立させるまでの全てのステップを支援するフィナンシャル・アドバイザリー業務(FA業務)のことを言います。

M&A専門家には、能力を保証する資格等がないためFA業務自体は、誰にでも行えますが、大きく分けると下記5つの先に依頼することができます。

①M&A専門会社(コンサルティングやファンド含)
②証券会社
③銀行
④顧問税理士・弁護士等
⑤その他企業や個人

各々の先の特徴について簡単に解説します。

①M&A専門会社

M&A専門会社においては、FA業務を業として行っており、情報網や知識等は
一定レベル以上ある可能性は高い
です。

ただ、M&Aが成功するか否かは会社というよりも「担当者個人」の能力に大きく左右されるため、自分の担当者のレベルがどれぐらいか?を事前に確認しておくと安心です。

担当者のレベルを事前に確認したい場合は、「優秀なM&A専門家を見極める7つの質問」の記事をご覧ください。

②証券会社

証券会社においては、
投資銀行の様な自己投資を行う部門もあるように、
大企業向けに同様のサービスを行っておりますので
知識やレベルは“専門部署においては優秀です。

但し、規模が一定程度以上の場合のみに行うサービスである場合もあり、規模に満たない場合は提携先のM&A専門会社を紹介し、成約したらそこからキックバックを貰うという形を行っているのが多いです。

そのため証券会社の担当と相性がよく、その担当者がやってくれると思ってたけど知らない人が出てきたということもあり得ますし、通常は案件が始まると、情報管理の観点から担当者に情報が行かなくなりますので、あまり相談もしにくくなる可能性もあります。

その前提で、個人の能力や費用等を確認するようにしてください。

③銀行

銀行においては、多くの地方銀行でM&Aを内製化する動きが出ております。

これは、「コア業務では稼げなくなっているので、手数料収入を増やさないといけない」という銀行業界特有の状況から来ていると思われます。

とはいえ、銀行はお金を融資するのが業であり、FAの専門家ではありません

そのため銀行では、FA業務を行おうとする者をM&A専門会社へ出向させ、少ない場合で2-3か月、多い場合で1年間勉強させ、銀行に戻って役務を行う(もしくは周囲に教える)という形で普及させているのが一般的です。

正直に言って、1年間行こうが責任者として仕事をするわけでもないですし、プロにはなれません。一通りの業務のイメージや知識が付くレベルで、お金を貰えるレベルに達していない場合がほとんどです。(一部のメガバンクや一部の地方銀行ではとても優秀な方がいるのも事実です。)

あくまで個人的感想ですが銀行という業態上、下記のような悪影響がある気がしています。

  • 能動的に考えたアクションが起こせない(資料も右から左に流すだけ)
  • 夜遅くまで対応するのも困難であり、タイトなスケジュールに対応できない
  • 相手先を自行と取引している会社にしたがる
  • (地方銀行の場合)自行の営業エリア外の会社に当たりたがらない
  • 候補先が銀行としての有力先の場合、その有力先に『忖度』する場合がある
  • そもそも財務知識、法務知識も弱い人が多い
  • 専門業務はすぐに外注したりするため、担当者が全ての情報を網羅できていないため質問にすぐ答えられない

一方で、譲渡候補先を探索する際、全国で候補先を探したいのであれば「M&A専門会社」「メガバンク」「証券会社」が良いと思いますが、地域で探したいという意向であれば「地方銀行」が一番情報を有しているかと思います。

④顧問税理士や弁護士等

顧問税理士や弁護士等においては、
経営者が一番最初に相談する相手である場合も多く
良く出てくる先となります。

彼らは税理士で言えば税務、
弁護士で言えば法務知識は専門性が高いので、
当該買収監査(DD)等では
力を遺憾なく発揮してくれますが
FA業務に関しては素人である場合が多いです。

⑤その他の事業会社や個人

個人の能力がある人ない人で、天地の差があります。

中にはM&Aを業として行っておらず、「1件、2件出来たから」というレベル基本的な知識や常識が欠如しているため、情報管理等においてとんでもないミスをしている事も良く見受けられます。(例えば、秘密保持契約書を締結せずに会社情報を出してしまう等)

例えばA社、B社、C社の候補先がいて、
A社は100、B社は120、C社は150の譲渡価格を出してくれるとして、株主は「お金が高ければそれが一番」という価値観だったとします。

しかし、B社・C社は「当たるすべがない」というアドバイザーの理由だけでA社にしか当たらなければ、100しか手にできません。

但し、結果としては100で売れた、1件成約、という実績がFAには出来ます。
その実績だけで当人はもれなく『自分は専門家です』というでしょう。

でもこれって本当に専門家といえるのでしょうか?

M&Aの専門家というのは資格を必要としないため、
譲渡先企業を見つけてこぬまま1年以上解約もさせてもらえない等の悪質なケースも多々見受けられます。

より多くの経営者様にとって、
「こんなはずじゃなかった」という事例が1件でも減り、
「やってよかった」と思えるM&Aを実現できますように。

クレバスでよければ、いつでもご相談お待ちしております。

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